借金を返す原資が細る中で、ギリシャには次々と返済の期日が訪れる。3日には海外で発行した債券の約5億円の利払い期日を迎えた。14日には円建て外債(サムライ債)の償還が控えている。支払いが滞れば格付け会社が債務不履行(デフォルト)とみなして、金融市場に混乱が広がる恐れがある。
14日に償還予定のサムライ債は20年前に日本の個人や機関投資家に販売された。今でも110億円強が残っている。極東証券は3月末時点で8億円近く保有していることを有価証券報告書で明らかにしている。
欧州連合(EU)との金融支援交渉が決裂状態になり、この債券の価格は急落した。元本の半値程度でしか買い取ってもらえない状況だ。
発行額はそれほど大きくないが、返済がなければ格付け会社がデフォルトとみなし、ギリシャ債の価格が急落する恐れがある。第一生命経済研究所の田中理氏は「スペインやポルトガルなどの南欧国債にも懸念が波及し金融市場が動揺する可能性がある」と指摘する。
サムライ債以外にも10日に20億ユーロの短期国債の償還が予定されている。20日は欧州中央銀行(ECB)が保有する国債35億ユーロの償還期日だ。8月以降も短期国債などの期日が相次ぎ到来する。
国民投票で「緊縮賛成」となっても、返済資金を速やかに用意できるかは不透明だ。サムライ債の管理事務を担当しているみずほ銀行は、返済がなかった場合は公表する予定だ。