少子高齢化などで減る消防団員を確保するため、岐阜県大垣市は4月、大学生らを対象に、返済しなくていい給付型奨学金制度を設けると、5日に発表した。総務省消防庁地域防災室の担当者は「奨学金は面白い試みで、初めて聞いた。市、学生、学校が連携して取り組んでほしい」と期待している。
大垣市の消防団員は昨年4月1日時点で699人。ただ、条例定数の750人を割っているうえ、一般団員の約8割はサラリーマンで、平日の日中に発生する火事や災害には対応できない。一方、市内には大学や専門学校が計6校あり、奨学金の創設により消防団への加入を促すことにした。
募集人数は10人。対象は市内に在住する6校の在学生で、在学中に市消防団の一般団員として2年以上活動することが条件。奨学金は月額1万円で、活動状況を確認し、3カ月ごとに支給する。給付は最長4年間。これとは別に一般団員の年額報酬3万7500円や出動時の費用弁償1回1100円も支給される。
市は今後、学生が授業中に出動する場合の出席の扱いなどについて、各校と協議する。(古沢孝樹)