【上海=小高航】中国の大手証券21社は4日、総額1200億元(約2兆4000億円)以上を株式投資にあてることを柱とする株価の下支え策を発表した。一方、中国政府は市場の需給悪化を防ぐためIPO(新規株式公開)を制限する方針。株価下落に歯止めがかからないなかで、株価テコ入れ策は官民総力戦の様相を呈してきた。
中信証券など大手21社は、合計の純資産の15%相当分を優良銘柄で構成する上場投資信託(ETF)につぎ込む。総額1200億元もの資金を市場に投入し株価の下支えを狙う。
上海総合指数が4500に戻るまで、各社が保有株を売却しない方針も発表した。前週末の上海総合指数の終値は3686。証券大手の多くは国有会社で、事実上、当局が4500を目標株価に据えているとのメッセージを発した形だ。
一方、投資ファンドなどで構成する中国証券投資基金業協会は4日、緊急会議を開き、株式に資金を集中投入して相場を下支えする方針を決めた。「数千億元を株式投資の機会に投入していく」とした。
さらに中国メディアによると、中国国務院(政府)はIPOの承認を当面停止することを決めた。株式の需給の悪化を和らげる狙いがある。これを受けて、上海と深圳市場でIPOを計画していた28社は4日深夜、一斉に上場を見送ると発表した。