楽天とヤマトホールディングスは6日、インターネット通販の関連業務で連携すると発表した。ネット通販「楽天市場」で購入した商品を、コンビニエンスストアなど約2万4千カ所で受け取れるようにするほか、楽天市場の出店者にヤマトが業務支援する。多様化するネット通販利用者のニーズに応えるためのサービス競争が激化している。
業務提携の発表後、握手する楽天の三木谷会長兼社長(左)とヤマトホールディングスの山内社長(6日午後、東京都港区)
「利用者の利便性を高め、日本のネット通販市場をさらに活性化していく」。6日に都内で開かれた両社の記者会見で、楽天の三木谷浩史社長とヤマトの山内雅喜社長は同じ表現で連携の狙いを強調した。
8月にも楽天市場で購入した商品をコンビニなどで受け取れるようにする。ヤマトと連携するファミリーマートやサークルKサンクスなど全国約2万店のコンビニやヤマトの営業所4000カ所が対象。楽天市場の商品をコンビニで受け取れるようになるのは初めて。
利用者は楽天市場で商品を購入した際、受け取り希望のコンビニを指定すると、商品が到着した時点でメールで通知してもらえる。自らの都合に合わせ、早朝や深夜などでも近所の店舗で商品を受け取れるようになる。
競合ではアマゾンジャパン(東京・目黒)がローソンなどでの店頭受け取りサービスを展開している。楽天は今春に日本郵便と連携し、都内の郵便局に商品の受け取り用のロッカーの設置を始めた。今後も「多様な受け取り方法を実現していく」(三木谷社長)考えだ。
楽天市場の出店者への支援でも連携する。ヤマトは6月から中小のネット通販事業者向けに受注管理から商品の集荷・配送までを一貫で請け負うサービスを始めている。楽天とヤマトは、このサービスを楽天市場の出店者が利用する場合、出店料の一部を返金するなど優遇して導入を促す。
楽天市場の出店者は4万を超え、中小事業者も多い。ただ、中小にとっては受注管理や発送作業は大きな負担となり、消費者が注文してから商品が届くまで2~3日かかる例も珍しくない。ヤマトのサービスはこうした手間を軽減できるほか、配達時間も短縮できる。地域によっては即日配送も可能になる。
体力の乏しい中小でも事業の拡大にあわせて使いやすくするため、サービスを利用する場合の初期費用は不要とした。出店者は配送量に応じて料金を支払う。