大阪府は6日、東芝や大阪大が開発中のゲリラ豪雨の最新型レーダー「フェーズドアレイ気象レーダ」の予測情報を土木事務所など10カ所で利用し、精度を確認する実証実験を始めた。同レーダーは従来より早い降雨予測が可能で、府は将来的に道路や河川の水害予防に役立てたい考えだ。
実験期間は2年間で、同レーダーの予測と実際の降雨時間、降雨量との比較データを東芝などに提供する。府によると自治体が同レーダーの実証実験をするのは全国初。
同レーダーは阪大吹田キャンパス(同府吹田市)に設置されており、半径15~60キロ内の積乱雲を3次元構造で観測。従来は5~10分かかっていた観測時間を30秒以内に短縮でき、ゲリラ豪雨の発生を10~30分前に予測できるという。
府は池田市などの土木事務所のほか、大阪府庁、豊中市役所など10カ所に予測情報を受け取る端末を設置。河川や水がたまりやすい架道橋下など水害の恐れがある15カ所について、同レーダーがゲリラ豪雨の発生を予測した場合、端末のアラームが鳴り、府は降雨量などの状況を記録する。
東芝や阪大は実験を踏まえて改良を重ね、2018年をめどに自治体への情報配信のシステムを完成させる計画という。