オブライアン国連事務次長(人道問題担当)は10日、安全保障理事会の会合で南スーダンとイエメン、ソマリア、ナイジェリアの4カ国で計2千万人以上が飢えと大規模な食料不足に陥り、国際社会は「(1945年の)国連創設以来で最大の人道危機」に直面していると訴えた。7月までに44億ドル(約5千億円)の緊急支援が必要という。
日本が陸上自衛隊の撤収を決めた南スーダンでは、昨年より140万人多い750万人以上の支援が必要で、推定で100万人以上の子どもがひどい栄養失調の状態にある。オブライアン氏は「南スーダンの飢餓は人が原因を作っている」と述べ、紛争と暴力を止めないと解決できないと訴えた。
最も深刻なのはイエメンで、国内の3人に2人にあたる約1900万人が何らかの支援を必要としている。食料支援を待つ人は700万人以上に上り、1月時点より300万人も増えている。
オブライアン氏は「地球規模での努力がないと人々は餓死する。さらに多くが病死する」と呼びかけた。(ニューヨーク=金成隆一)