【ニューヨーク=平野麻理子】6日のニューヨーク市場ではギリシャ問題の先行き不透明感が嫌気され、投資家が運用リスクを回避する動きを強めた。原油先物市場では指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)が前週末2日比4.40ドル(7.7%)安い1バレル52.53ドルで取引を終えた。ダウ工業株30種平均は続落。相対的に安全とされる米国債には買いが入り、長期金利は低下した。
ギリシャの5日の国民投票では財政緊縮策への反対票が多数を占めた。同国の財政破綻やユーロ圏離脱の可能性が高まったとの見方から、投資家が原油などリスク資産の売却に動いた。最近の株安で中国景気への不安も強まっており、世界的に原油需要が低迷する可能性も意識された。WTIは一時52.41ドルまで下げ、2カ月半ぶりの安値を付けた。
株式市場ではダウ工業株30種平均が連休前の2日比46ドル53セント(0.3%)安の1万7683ドル58セントで終えた。ギリシャ問題が売りを誘った半面、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)など債権団との今後の交渉を見極めたいとの見方から下値は限られた。最近の米経済指標の底堅さも支援材料となった。
債券市場では長期金利の指標となる10年物国債利回りが2日比0.10%低い(価格は高い)2.28%で取引を終えた。10年債利回りは一時2.27%と、約2週間ぶりの水準まで低下した。