■香港鉄路(MTR、香港の地下鉄運営会社) 建設中の2新線の工事費用が計画より30億香港ドル(約480億円)上振れするとの見通しを明らかにした。人手不足や工事難航が原因で、プロジェクト管理能力を問う声が強まっている。
香港島中心部と南部を結ぶ南港島線で17億香港ドル、九龍地区の観塘線の延長工事も13億香港ドルの追加費用がそれぞれ必要になる。観塘線では開業時期も2016年後半と当初予定より最大半年程度遅れる。
MTRがプロジェクトを管理している広州―香港間の高速鉄道でも建設コストは853億香港ドルと当初予定より200億香港ドル以上膨らむ見通し。費用を負担する香港政府からはMTRの責任を問う声が出ている。
MTRが13日発表した15年1~6月期決算は純利益が82億香港ドルと前年同期比3.5%増加した。駅周辺に建設したマンションなど不動産の販売が好調だった。(香港=粟井康夫)