経済産業省は24日、タイ・ベトナム・ラオス・カンボジア・ミャンマーとの間で「メコン産業開発ビジョン」をまとめた。中国・インドの成長力を取り込みながら5カ国同時に成長することを目指す内容で、宮沢洋一経産相と5カ国の経済閣僚で開いた会議で採択された。
ビジョンは日本側が提案した。5カ国で構成するメコン地域について、工業化が進むタイを中心に、アジアのヒト・モノ・カネの移動の中心地に発展させることを目指す。タイ以外では、ベトナムも中国と隣接する特性などを生かして、自動車・電気産業で外国からの投資を呼び込む方向性を示した。
この2カ国ほど工業化が進んでいないカンボジア・ミャンマーは、既存の縫製産業を伸ばしつつ、中国とインドの間に位置することを生かし、物流や修理・部品産業などに力を入れることを勧めた。
ラオスは水資源が豊富なことから、精密機械や食品加工など水を使った産業を構築できる可能性があると指摘した。日本は中小企業政策などでも同地域への関与を強める方針だ。