【上海=土居倫之】24日の上海株式市場は大幅続落した。上海総合指数の下落率は前週末比一時8%を超える場面があった。中国政府は23日、年金基金の株投資を承認すると発表したが、景況感の悪化を背景にした投資家の弱気ムードを払拭できなかった。
上海総合指数は同3.83%安の3373で取引が始まった。7月9日の取引時間中に一時記録した急落後の安値を下回り、約5カ月ぶりの安値水準を付けた。その後下落率を拡大した。
財新と英マークイットが21日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1だった。リーマン・ショック後の2009年3月以来の低水準となり、景況感の悪化が鮮明になっている。
加えて中国の証券監督当局は「一般の状況では市場に介入しない」と表明している。政府の買い支えが見込めず、景気への不安感を強める投資家の弱気心理が株価に影響を与えやすくなっている。