気象庁は11日未明、宮城県では「これまでに経験のないような大雨になっている」として、大雨の特別警報を発表した。土砂災害や河川の氾濫に最大級の警戒を呼び掛けている。東北では11日昼ごろまで、大雨で危険な状態が続く見通し。栃木、茨城両県の警報は同日朝、全域で解除された。
気象庁の弟子丸卓也予報課長は記者会見し「重大な危険が迫った異常事態。安全を確保する適切な行動を取ってほしい」と述べた。
気象庁によると、日本海で北上している温帯低気圧の南から湿った空気が入り、太平洋の台風17号からの風とぶつかり合い、宮城県の中央部で積乱雲が発達した範囲が帯状に広がった。
台風17号の北上に伴い、北海道に大雨の範囲は移動していくとみられる。
11日未明には、宮城県栗原市で1時間に72.0ミリ、大衡村62.0ミリの非常に激しい雨となった。いずれも観測史上最多。宮城県内では、6日午前0時の降り始めからの雨量が、9月1カ月間の平年値を大きく上回っている地点が出ており、丸森町554.0ミリ、仙台市泉ケ岳416.0ミリなど記録的な雨量となっている。
12日午前6時までの24時間予想雨量は、いずれも多い所で、東北150ミリ、北海道100ミリ。〔共同〕