オムロンは16日、米国の産業用ロボットメーカーであるアデプト・テクノロジー(AT社、カリフォルニア州)を買収すると発表した。AT社は米ナスダック市場に上場しており、オムロンは米子会社を通じて公開買い付け(TOB)を実施する。全株を買い付けた場合の買収額は約2億ドル(約240億円)となる。オムロンは今回の買収で産業用ロボット事業に参入する。工場の生産を自動化する機器の品ぞろえを強化し世界で高まる工場の省人化ニーズを取り込む。
オムロンは9月23日から公開買い付けを始めて、買い付け終了日は10月22日を予定している。1株当たりの買い取り価格は13ドル(約1560円)となる。
AT社は1983年に設立され、2015年6月の売上高が5420万ドル(約60億円)だった。従業員数は170人。ロボットを制御する技術やセンサーなどで豊富な技術を持っている。工場内で部品を運搬する無人ロボットにも強い。オムロンは主力の工場の制御機器と組み合わせて、顧客に生産ラインのさらなる自動化などを提案できるとみている。
大阪市内で記者会見したオムロンの宮永裕執行役員専務は「世界の省人化ニーズに対応するには、制御技術だけでなく情報技術やロボティクス技術が不可欠だ」と述べた。