香港地区のパン・菠蘿包(パイナップルパン)と菠蘿油(パイナップルヨー)が近年、日本で人気を集めている。ただ、間違って「台湾のメロンパン」と宣伝している店も少なくない。環球時報が各社の報道をまとめて報じた。
香港地区メディア・星島日報網の14日付けの報道によると、菠蘿包と菠蘿油が台湾地区でも販売されるようになり、その後、日本で流行するようになった。しかし、菠蘿包と菠蘿油は台湾地区のグルメだと勘違いしている日本人も多い。ある日本のネットユーザーは、コメント欄に、写真付きで「台湾のパイナップルヨー」と書き込み、日本のネットユーザーの間で議論を巻き起こし、「こんなに大きいけど、台湾地区ってバターが安いの?」や「台湾地区に行った時に見たことがある。でも、『香港地区』発祥だったと思うけど」などのコメントが寄せられている。報道によると、菠蘿包を「台湾のパイナップルパン」と宣伝して売っているパン屋もある。例えば、大阪心斎橋の高級食パン専門店「非常識」は昨年10月、期間限定商品として「台湾パイナップルパン」を販売した。「香港発祥メニュー」という言及はあるものの、「台湾屋台街の定番メニュー」と宣伝されていた。また、商業施設「グランフロント大阪」内にある「やまびこベーカリー」でも12月に、「台湾グルメパンが集まるフェア」が開催され、「台湾パイナップルパン」が販売された。
あるネットユーザーは、ツイッターに、「香港地区ではなく、台湾のパイナップルヨーと言っている人は、香港地区に謝罪すべき。香港地区の飲食文化に失礼だ」と綴っているほか、別のネットユーザーは、「パイナップルパンは台湾地区の屋台でも売っているものの、台湾地区の主流グルメではない。台湾地区のタピオカミルクティーを日本のグルメと言っているのと同じ感覚だ」との声を寄せている。
香港地区発祥の菠蘿包は、焼き上がるとこんがりときつね色になり、表面がパイナップルに似ていることから、「パイナップルパン」と呼ばれるようになった。菠蘿油は、菠蘿包が進化した商品で、菠蘿包に切り込みを入れ、厚切りのバターを入れたパン。ミルクティーとセットにしたモーニング、アフタヌーンティー向けとして、香港地区の多くのカフェで販売されている。
菠蘿包は1960年代に香港地区で登場した。それまであったパンに飽き、もっと味の濃いパンを食べたいと思った香港地区の人々が、パンに砂糖などの甘いトッピングをのせて焼くようになったという説がある。菠蘿包のサクッとした表面は、砂糖や卵、小麦粉、ラードで焼き上げられている。また、ロシアの丸いパンが、香港地区で進化し、表面がサクサクした菠蘿包になったという説もある。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年1月18日