【NQNニューヨーク=神能淳志】22日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発した。前日比40銭の円高・ドル安の1ドル=120円10~20銭で取引を終えた。欧米の株安を背景に投資家心理が悪化。ドルに対して相対的に金利の低い円を買う動きが優勢だった。
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンによる排ガス規制の不正問題を巡り、欧州では独を中心に主要国の株価指数が大きく下落した。米市場でもダウ平均が一時200ドル超下げるなど投資家がリスク回避姿勢を強めるとの見方が広がり、「低リスク」とされる円には買いが膨らんだ。
欧米株安を受けて安全資産とされる米国債には資金が流入した。長期金利の指標となる米10年物国債の利回りが大きく低下(価格は上昇)したことも、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りにつながった。
円の高値は119円70銭、安値は120円18銭だった。
円は対ユーロで大幅に3日続伸し、前日比1円20銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=133円65~75銭で終えた。リスク回避姿勢が強まるとの見方から、対ユーロでも円が買われた。ユーロが対ドルで大きく下げたことも円買い・ユーロ売りに拍車を掛けた。
ユーロは対ドルで3日続落した。前日から0.0070ドル安い1ユーロ=1.1115~25ドルで終えた。23日は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が欧州議会で証言に臨むとあって、追加の金融緩和策への思惑が出やすく、ユーロ売り・ドル買いが優勢だった。
ユーロの安値は1.1113ドル、高値は1.1170ドルだった。