脳性まひや難聴の原因となる未熟児の黄疸(おうだん)の程度を、採血せず皮膚に計測器を当てて調べる方法を神戸大のチームが発見し、米小児医学誌に25日までに発表した。
チームの森岡一朗特命教授(新生児医学)は「未熟児に負担を掛けない方法。黄疸をきちんとチェックし、予防に生かしたい」と話す。
チームによると、未熟児の千人に2人以上は強い黄疸が出る。黄疸は血液中のビリルビンという物質の量で調べ、1デシリットル当たり10ミリグラムを超えると治療が要る。
通常の体重で生まれた赤ちゃんでは市販の計測器を皮膚に当てて調べるが、体が小さい未熟児では皮膚で正確に計測するのが難しく、毎日皮膚に針を刺すことになる採血も長期間続けるのは負担が大きく、困難という。
チームは、1500グラム未満で生まれた85人を対象に、採血検査と皮膚での計測をそれぞれ計約380回行い、ビリルビンの値を分析した。皮膚での計測は額、下腹部、腰など5カ所で行い、どの部位が最も正確に測れるのかを調べた結果、胸と背中だと判明。この手法では、1デシリットル当たり8ミリグラムを超えると、治療の検討が必要になることも分かった。〔共同〕