【ニューヨーク=高橋里奈】国連加盟国は25日、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を国連サミットで採択した。極度の貧困や飢餓の撲滅、男女平等などを2030年までに達成することを目指す。採択に先立ち、ローマ法王フランシスコが各国首脳らに向けて気候変動や貧困問題の解決を呼びかけた。
この目標は2000年に採択され、今年末に期限を迎える「国連ミレニアム開発目標」の後継計画となる。国連加盟国は8月に事前合意している。27日まで開催するサミットにはオバマ米大統領やロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席ら約160カ国の首脳が参加する予定だ。
「あらゆるかたちの貧困の撲滅」「飢餓の撲滅と食の安全保障の達成」「男女平等の達成と女性の活躍推進」など17の目標と169の具体策を設定。30年にこれらの目標が達成できるよう各国が行動することを求める。途上国の取り組みを支援するため、先進国が国民総所得(GNI)の0.7%を政府開発援助(ODA)に充てるという財政目標も掲げた。
サミット開幕に先立ち、25日午前にローマ法王が国連総会議場で「(弱者の)経済、社会的な排除は人権侵害だ。新開発目標は重要な希望の印だ」と演説。また、開幕式では史上最年少のノーベル平和賞の受賞者であるマララ・ユスフザイさんが「教育は特権ではなく権利だ」と語り、難民などすべての子供が「教育を受ける権利がある」と訴えた。