安倍晋三首相は30日、訪問先の米ニューヨークでの記者会見で、内閣改造・自民党役員人事について10月7日の実施を明言した。アベノミクスの新3本の矢を念頭に「新たな政策を進めていくために強力な新たな体制を作っていく」と述べた。
国連総会を終え、記者会見する安倍首相(ニューヨーク)=共同
人事の方向性は「大きな骨格は維持しながら、できるだけ多くの方に能力を発揮してもらいたいと考えたい」と強調した。内容に関しては「いまの段階では人事については白紙だ」と述べるにとどめた。
首相は人事で政策の継続性を重視する方針で、麻生太郎副総理・財務相、甘利明経済財政・再生相、菅義偉官房長官、岸田文雄外相ら主要閣僚を続投させる意向だ。党役員も谷垣禎一幹事長をはじめ、二階俊博総務会長、茂木敏充選対委員長が留任する方向だ。
首相はロシアのプーチン大統領との首脳会談について「率直かつ有益な議論ができた」と成果を強調した。大統領の訪日は「総合的に勘案してベストな時期での訪日を実現することで一致している」と述べた。
北方領土問題は「首脳間の対話なくして解決できない」と指摘し、今後も積極的に対話を継続する意向を強調した。そのうえで「戦後70年を経て平和条約が締結されていないのは異常な状態だ」とも述べ、ロシアとの平和条約交渉の前進に意欲を示した。
沖縄県にある米軍普天間基地の移設問題を巡っては「移設作業は政府一体となって関係法令に従いつつ、住民の生活や環境への影響に配慮しながらしっかりと進めていく」と話した。県内に反対の声があることを念頭に「あらゆる機会をとらえて、理解が得られるように説明を尽くしていく」と強調した。
シリアなどの難民問題については「経済支援、教育、保健医療での協力を行い、根本解決に大きな責任を果たす決意だ」と述べた。