【ニューデリー=共同】ヒマラヤ山脈東部を中心とする地域で2009年から14年にかけて、新たに211の新種の野生生物が発見されたとする報告書を世界自然保護基金(WWF)が発表した。鼻の穴が上を向いた「くしゃみをするサル」などが含まれる。
報告書によると、調査地域はネパールやインド北東部、ミャンマー北部など。新種の内訳は植物133種、魚類26種、両生類10種、鳥類と哺乳類がそれぞれ1種などとなっている。
ミャンマー北部で10年に発見されたサルは鼻の形が特徴的で、雨が降ると鼻に水が入るため、頭を膝の間に隠して座る習性があるという。ほかに、水から出ても4日間生存可能な「歩く魚」や水色の目をしたカエルなどが含まれている。
報告書は「開発や気候変動などによりヒマラヤ東部で本来の状態で残っている生息環境は25%にすぎない」と指摘。WWFインドのラビ・シン事務局長は「ヒマラヤ東部が経済発展をする中、生物多様性を守ることが急務だ」と強調している。〔共同〕