第一三共は19日、米国の営業体制を見直すと発表した。2016年3月末までに千人から1200人の従業員を減らし、営業部門人員をほぼ半減させる。米国では主力の高血圧症治療薬「オルメサルタン」の特許が来年切れるため、営業体制を縮小することで固定費の削減を急ぐ。
米国子会社の営業部門の社員は現在、約2千人。詳細は今後詰めるが、削減の対象は営業の最前線を担う医薬情報担当者(MR)が中心になるとみられる。
米国では来年10月以降にオルメサルタンの後発薬が発売される見通し。オルメサルタンの売上高は15年3月期実績で千億円強と、米国子会社の過半を占めている。
第一三共は特許切れを見据え、抗凝固薬「エドキサバン」や疼痛(とうつう)薬の処方拡大に力を入れる方針だ。こうした新薬は専門医の処方が多く、特許が切れるオルメサルタンに比べて営業に必要な人員が少なくてすむこともあり、営業体制を見直すことにした。