日銀が22日に公表した10月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、7~9月の企業向けの資金需要判断指数(DI)はプラス7と前回7月調査から5ポイント上昇した。大企業の製造業向けの資金需要は減ったが、非製造業の中堅、中小企業向け、製造業の中小企業向けがそれぞれ改善した。
資金需要判断DIは貸出需要が増えたと答えた金融機関の割合から減ったと答えた割合を引いた値。日銀は国内の主要50金融機関を対象に、四半期に一度調査を実施している。
大企業向けはプラス1と前回から5ポイント悪化。うち製造業がマイナス2とプラス5から大幅に悪化した。非製造業はプラス2で横ばいだった。大企業向け全体で資金需要が減少した理由については「資金繰りの好転」「他の調達手段にシフト」との回答が目立った。
一方、中堅企業向けはプラス4と3ポイント改善、中小企業向けはプラス5と4ポイント改善した。非製造業を中心に資金需要が増加した。中堅、中小の資金需要が増えた理由として多かった回答は「設備投資の拡大」「売上高の増加」だった。
個人向けはゼロと、前回7月調査時から7ポイント悪化した。住宅ローンがマイナス2と、前回のプラス6からマイナスに転じた。住宅投資の減少が響いた。一方、消費者ローンの資金需要DIはプラス5と前回並みだった。個人消費の拡大に伴い、底堅く推移したもよう。
今後3カ月先の資金需要見通しDIは、企業向けがプラス3。個人向けはゼロだった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕