【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は7日続落した。前日比80銭の円安・ドル高の1ドル=121円45~55銭で取引を終えた。一時121円49銭と8月31日以来およそ2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。世界的に金融緩和策が強化されるとの見方が広がった。利上げを視野に入れている米金融政策との方向性の違いが意識され、円やユーロなど主要通貨に対してドルを買う動きが活発になった。
中国人民銀行(中央銀行)が23日に追加の金融緩和策を決めたほか、欧州中央銀行(ECB)や日銀も近く一段の緩和策に踏み切るとの観測が浮上している。米連邦準備理事会(FRB)は27~28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場では今回は利上げを見送るものの、年内にも利上げに動くとの見方は根強く残り、金融政策の違いが改めて意識された。
欧米の株高で投資家心理が強気に傾いたことも、相対的に金利水準が低い円の売りを誘った。米長期金利が上昇し、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いも出た。
円の高値は120円66銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比35銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=133円70~80銭で終えた。一時は133円38銭と9月23日以来1カ月ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。ECBのドラギ総裁が22日の記者会見で追加緩和に前向きな姿勢を示したことが引き続きユーロ売りにつながった。
ユーロは対ドルで3日続落。前日比0.0095ドル安い1ユーロ=1.1005~15ドルで終えた。一時は1.0997ドルまで下げ、8月11日以来ほぼ2カ月半ぶりの安値を付けた。欧米の金融政策の方向性の違いを意識したユーロ売り・ドル買いが続いた。
ユーロの高値は1.1100ドルだった。