【NQNニューヨーク=川内資子】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。終値は前日比157ドル54セント(0.9%)高の1万7646ドル70セントと、7月31日以来およそ3カ月ぶりの高値を付けた。中国人民銀行(中央銀行)が追加の金融緩和に踏み切ったことが好感された。世界の主要な中銀による緩和的な金融政策が長引く可能性が改めて意識されたことも米株式の買いにつながった。
人民銀は23日、中国の景気減速に歯止めを掛けるため、利下げや預金準備率の引き下げを決めた。前日には欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加緩和に前向きな姿勢を示したこともあって、緩和策が長期化することで世界の株式市場には投資資金が流入しやすい状態が続くとの観測が米株式の買いを促した。
四半期決算が市場予想を上回ったマイクロソフトやグーグルの持ち株会社アルファベットが急伸した。アップルや交流サイト(SNS)のフェイスブックなどIT株全般に買いが及んだことも相場を押し上げた。ダウ平均は上げ幅を190ドルに広げる場面もあった。
ナスダック総合株価指数も続伸し、同111.814ポイント(2.3%)高の5031.864で終えた。心理的な節目である5000の大台を回復し、8月18日以来およそ2カ月ぶりの高値を付けた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「IT」や「ヘルスケア」など6業種が上昇した。一方で「公益事業」や「エネルギー」などが下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億株(速報値)、ナスダック市場(同)は約21億1000万株だった。
マイクロソフトは10%上げ、アップルは3%高で終えた。前日夕に発表した決算が最終黒字となったインターネット小売り大手のアマゾン・ドット・コムも高い。増益決算を発表した日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も買われたほか、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや製薬のファイザーも上げた。
一方で、四半期決算とあわせて発表した売上高見通しが市場予想を下回ったインターネットラジオ局を運営するパンドラ・メディアが急落した。増益決算と同時に自社株買いを発表したアメリカン航空グループは利益確定を目的とした売りに押された。ダウ平均構成銘柄ではスポーツ用品のナイキや飲料のコカ・コーラが下げた。