30日午前の東京外国為替市場で円相場は小幅に続落した。12時時点は1ドル=120円81~85銭と前日17時時点に比べ4銭の円安・ドル高で推移している。29日に発表された7~9月期の米国内総生産(GDP)速報値は、前の期から伸びが鈍化したものの、個人消費の堅調さが確認される内容だった。このことが年内の米利上げ観測を後押しし、円売り・ドル買いが優勢になった29日のニューヨーク市場の流れを引き継いで始まった。
売り一巡後の円相場は下げ渋った。10時前の中値決済にかけては、事業会社の決算が集中しやすい月末の5・10日(ごとおび)とあって「国内輸出企業による円買い・ドル売り注文が多かった」(国内銀行)との指摘があった。日銀はきょう、金融政策決定会合を開いている。追加緩和の有無を巡る思惑が交錯し、日経平均株価が神経質な展開となった流れが円相場にも波及した。
総務省が朝方発表した9月の全国消費者物価指数(CPI)は2カ月連続でマイナスとなったが、円相場への影響は限定的だった。
9~12時の円の安値は121円05銭近辺、高値は120円84銭近辺で、値幅は21銭程度だった。
円は対ユーロで7営業日ぶりに反落した。12時時点は1ユーロ=132円72~83銭と同78銭の円安・ユーロ高で推移している。29日に発表された10月のドイツのCPIが市場予想を上回ったことで、ユーロが対ドルや対円で上昇した29日の海外市場の流れを引き継いだ。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに反発した。12時時点は1ユーロ=1.0985~88ドルと同0.0060ドルのユーロ高・ドル安で推移している。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕