インプラント堤防のイメージ図。地中深く差し込んだ鉄製の杭が基礎になり、津波に耐えるという(技研製作所提供)
南海トラフ巨大地震が起きると巨大津波が来ると想定されている高知県の企業が防災関連技術の開発に力を入れている。官民が協力して海外に「防災先進県」をアピールし、売り込みに余念がない。海外からは視察が相次いでいる。
先月17日、バンコクにあるタイ政府工業省ビル。県によると、岩城(いわき)孝章副知事に同行した建設機械メーカー「技研製作所」(高知市)が、「インプラント堤防」をタイ側に紹介した。地中深くまで差し込む鉄製の杭を基礎にする技術で、従来の堤防に比べて洪水や津波を受けても倒れにくいという。
高知市の土木資材メーカー「チカミミルテック」も地盤改良材をPR。特殊な樹脂と不織布を組み合わせたシートで、土中の水分を吸い上げる。地盤沈下を抑え、洪水時の浸水防止にもつながるという。「タイで実績を作り、ほかの国にも売り込んでいきたい」と、海外営業担当の奈良好記(よしき)さん(41)は期待する。
海外への売り込み強化を県が始…