タカタ(7312)の高田重久会長兼社長は4日午前、エアバッグの欠陥に関わる一連のリコール(無償の回収・修理)問題で米運輸省・高速道路交通安全局(NHTSA)からの制裁金支払いなどに合意したことを受けて、都内で記者会見を開いた。高田会長は制裁金の支払いで2015年4~9月期に約85億円の特別損失を計上することについて、「今回の支払命令の金額が急な資金繰りのリスクにはならない」と話し、財務の安定性を強調した。
タカタの米子会社が、エアバッグの欠陥で適切なリコールや当局への情報開示を怠ったとしてNHTSAから命じられた制裁金支払いなどの指令を受け入れることに合意した。まず70億ドル(約85億円)の民事制裁金を20年10月までに分割して支払うことを受けて特損を計上するが、高田会長は「非常に資金繰りを考慮して対応している」とした。
今回の問題では、エアバッグを膨らませる装置に含まれる「硝酸アンモニウム」が異常破裂といった欠陥の原因と指摘されている。タカタはNHTSAの指令の中にある硝酸アンモニウムを使った装置について供給済みのものは交換するほか、製造販売を段階的に中止することや装置供給における新規の契約を結ばないことについても合意している。こうした指令の履行を怠った場合は別途最大1億3000万ドル(約156億円)の民事制裁金を支払うことになる。高田会長は「徹底的な内部統制などに努める」として指令を順守する姿勢をみせた。タカタは指令の履行を評価するために独立した監視人を選定するほか、社内に最高安全保障・説明責任者(CSO)を新たに設置する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕