女子フリーで演技するザーラ・ラリ=白井伸洋撮影
25日の札幌冬季アジア大会フィギュアスケート女子フリーで、アラブ首長国連邦(UAE)のザーラ・ラリは「難民の大変さを伝えたい」と逃げ惑い疲れ果てる人々の姿を表現した。全身を覆うえんじ色の衣装は、破れていく服をイメージして一部に緑色をあしらった。
ヒジャブまとった銀盤のプリンセス 「夢は五輪」
フィギュア特集 Kiss and Cry
両足のつま先を左右に開いて横向きに滑るイーグルからダブルアクセル(2回転半)、3連続ジャンプなどを着氷。本格的に競技を始めて5年で培った技術を披露した。
王族の後押しを受けている。学校を訪問して女性がスポーツをする意義や楽しむことの大切さを伝える活動もする。「文化的理由で一時、競技に反対していた」という父も「私が間違っていた」と、スケートクラブを創設して活動を応援してくれているという。
「ここまで成し遂げられてうれしく誇りに思う。若いスケーターが育っていることに手応えを感じる。来年の五輪に出られなくても2022年を目指す。はしごを一段一段、上っていきたい」(後藤太輔)