自動車部品メーカー「タカタ」が欠陥のあるエアバッグを販売した事件で、法人としての同社が27日、米ミシガン州の連邦裁判所で詐欺の罪を認めた。米司法省によると、裁判官はこの答弁を受け、10億ドル(約1127億円)の支払いを同社に命じる判決を言い渡した。
タカタは2000~15年ごろ、エアバッグに欠陥があると知りながら、自動車メーカーに偽った情報を伝えて販売を続けたと認め、罰金や補償金を支払うという合意を、米司法省との間でしていた。27日には法廷でも罪を認めたため、同省との合意内容通りの判決言い渡しとなった。
この事件では、タカタの元幹部3人も詐欺などの罪で起訴され、米国で逮捕状が出ている。米国の検察官は起訴を明らかにした1月の会見で、身柄の引き渡しを日本に求める方針を明らかにしたが、現在はまだ実現していない。
米国ではタカタや、同社のエアバッグを購入したホンダやトヨタ、日産などの自動車メーカーを相手取った複数の損害賠償訴訟も起きている。原告側は27日に裁判所に出した書面で、「自動車メーカーもタカタ製品の危険性を認識しながら、価格面の判断で使うことを決めた」と主張。訴訟ではこうした主張を裏付ける自動車メーカーの社内文書も示す予定という。(ニューヨーク=中井大助)