東洋ゴム工業(大阪市)が免震ゴムの性能を偽装していた問題で、偽装されたゴムを使ってマンションを建てて販売した東京都の不動産会社が、契約解除で支払った違約金など約3億円の損害賠償を東洋ゴム側に求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。市川多美子裁判長はゴムを製造した子会社の東洋ゴム化工品に、全額の支払いを命じた。
判決によると、不動産会社は宮城県でマンションを建設したが、完成間近の2015年4月に問題が発覚。すでに約9割の住宅で販売契約が成立していたが、契約解除となったため、購入者に違約金約3億5180万円を支払った。
判決は、「問題の原因は子会社のデータ改ざんにある」と指摘。東洋ゴム工業の責任は認めなかったが、不動産会社が購入者に支払った違約金の金額は妥当だと認め、子会社がすでに支払った弁済金を差し引いた全額の支払いを、子会社に命じた。
不動産会社は「現時点において判決内容の詳細な検討はできていませんが、基本的には弊社の主張が認められたものと認識しています」、東洋ゴム工業は「判決内容の詳細を確認できていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としている。