名古屋市守山区で10月、名古屋大が開発を進める自動運転車が公道走行実験中に自損事故を起こしていたことが4日、分かった。運転席には取材中の名古屋テレビ放送のリポーターが座っていた。けが人はなかった。
名古屋テレビによると、事故は10月22日昼に発生。自動運転車が守山区内の公道で左折する際、縁石にタイヤが接触し、パンクした。車にはリポーターのほか、助手席に研究者、後部座席に取材スタッフが座っていた。けが人はなく、自損事故として警察に届け出たという。
関係者によると、当初は研究者が運転する予定だったが、名古屋テレビ側から、リポーターを運転席に乗せるよう要請があったという。
自動運転車の公道走行は、運転者が乗ってハンドルやブレーキなどがすぐに動かせる状態なら免許があれば可能。リポーターは免許を所有していた。ただ、愛知県の場合、実験を円滑に進めるため、大学や企業は任意で県の産業振興課に実験の詳細を届け出る制度を設けている。県は届け出を受けたら、愛知県警や道路公社など関連部局に連絡をしている。
産業振興課は名古屋大に対し、今後は部外者を運転席に乗せないよう注意をした。県は「不慣れな人が乗ったため、瞬時に事故を回避する運転ができなかったのではないか」と語っている。大学側は「今後このようなことがないようにしたい」と謝罪しているという。
リポーターらは事前に自動運転の説明を受けていた。名古屋テレビは「取材方法に問題はなかった」とコメントしている。