【パリ=竹内康雄】エジプトのシナイ半島で起きたロシア旅客機墜落の原因を巡り、仏AFP通信は6日、回収されたブラックボックスの分析結果が爆弾によるテロの可能性を強く示唆したと報じた。関係者の話として伝えた。飛行中に突然、爆発音が発生し、その後に墜落したという。
ブラックボックスは「フライトデータ記録装置」と「コックピットボイスレコーダー」の2つの装置からなる。両装置は墜落直前まで「問題はまったくなかった」といい、ある時点で突然動作しなくなり、機内の急速な減圧が始まったと説明した。
技術面での問題があれば、何らかの異常がブラックボックスに記録されることが多いとして、「技術面のトラブルが原因の爆発とは考えにくい」という。このため、機内に仕掛けられた爆弾が爆発したという仮説を「強く裏付ける」と指摘した。
AFP通信は関係者の所属を明示していないが、フランスには墜落機を製造した航空機製造のエアバスの本社がある。同社は専門家を派遣し、事故の原因究明にあたっている。
一方、ロシアは6日、すべてのエジプト便の運航停止を命じた。米ボーイング737型機の飛行許可を取り消す方針は撤回した。