関東・東北豪雨から2カ月が過ぎた鬼怒川の堤防決壊で被災した茨城県常総市で、家屋の被害認定に対する住民の2次調査申請が相次いでいる。浸水が床上1メートルに達したと認められなければ支援制度の対象から外れるためだ。県などは最近、外れる世帯への独自の救済策を公表したが、「不十分」との声も出ている。
10日現在、市内で「全壊」と認定された家屋は50棟、「大規模半壊」が914棟、「半壊」が2773棟。
水害の場合、家屋流失や1階天井までの浸水は「全壊」、床上1メートル以上の浸水が「大規模半壊」と認定される。被災者生活再建支援法で最大300万円の支援金を支給する対象は主に「全壊」「大規模半壊」に限られ、「1メートル」に満たない世帯は対象にならない。
常総市箕輪町の主婦、程田甲子さん(66)は、市の調査で、平屋の家屋が床上浸水「55センチ」で「半壊」と認定された。
水害後、壁についた白いカビは、浸水跡を超えて天井近くに達した。居間の畳は外され、取り換えた床板がむき出しのままだ。使えなくなった家電や生活用品の買い替えを控え、ほかの部屋や壁の修理費は出せない。
市によると、認定結果に納得できない人による2次調査申請は10日時点で199件に増えた。「1次調査は目視調査が基本だが、2次調査は被災者の立ち会いが原則で、結論が変わることもある」と内閣府の担当者。
支援格差を埋めようと、茨城県は半壊世帯に25万円を支給する独自策をまとめたが、「修理費用もまかなえない」(程田さん)との声も漏れる。
災害に詳しい津久井進弁護士(兵庫県弁護士会)は「水に漬かった家財道具は多くが廃棄せざるを得ず、浸水の深さは関係ない。被災者生活再建支援法は地震を念頭にできたので、水害への対応が十分にできていない」と話している。〔共同〕