「病院を開院する」などとうたって発行した医療機関債を使って約4億8千万円をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた医療法人社団「真匡(しんこう)会」(解散)の実質的経営者だった川野伝二郎被告(50)に大阪地裁は13日、求刑通り懲役16年、追徴金約4千万円の判決を言い渡した。
斎藤正人裁判長は判決理由で、被告が詐欺集団の首謀者として、休眠状態だった真匡会や実態のない医療法人を買収し、事業計画を立てずに医療機関債を発行したと指摘。高齢者を対象に金を集め、高級クラブなどの遊興費に充てたとした。
被告は自身の関与を否定して無罪を主張していたが、「責任を他人に押しつけ自らの罪に向き合う姿勢がない。被害者の精神的苦痛も多大」として情状酌量の余地がないとした。
判決によると、被告は2011~12年、実刑が確定した男(36)ら10人以上と共謀し、各地の計44人から1人当たり7100万~100万円の計約4億8千万円をだまし取った。〔共同〕