自民党は13日、農林部会などの合同会議を開き、環太平洋経済連携協定(TPP)対策に関する提言のたたき台をまとめた。農業の成長産業化をめざし、国産品の輸出拡大を後押しする。党内に検討チームを設け2016年秋に具体策をまとめる。来年の参院選をにらみ「予算を抑制することのないように政府が責任を持って十分配慮すべきだ」と強調した。
農業分野の提言は攻めの農林水産業に転換するための体質強化策と、コメや畜産など生産者の経営安定対策の2本柱とする。17日までにまとめ、今月下旬に政府がつくる大綱に反映させる。
体質強化策では輸入が増えて価格が下がる可能性がある牛・豚肉、野菜などの生産について、規模拡大によるコストの削減や技術革新を促す。
生産者の経営安定対策ではコメの輸入が増えた量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い上げ、米価を維持する。牛・豚肉と乳製品は、生産者の経営の影響を和らげるための措置をとる。
中小企業向けにはTPPの活用方法をまとめた手引書と、関税の減免を受けるために必要な手続きの指針をつくる。
日本貿易振興機構(ジェトロ)のような公的機関と法律事務所や地方銀行などで構成する組織もつくり、中小企業が融資や貿易保険、法律相談などのサービスを簡単に受けられるようにする。外国の公共事業を受注するため、円借款手続きを素早く受けられるようにすることも検討する。