天皇陛下の退位をめぐり、衆参正副議長が国会の総意として、今の陛下に限り退位を認める特例法を整備することで議論を集約し、政府に提言することが確実になった。皇室典範の改正を主張した民進党が、典範付則に特例法が「一体」であることを位置づける自民党の妥協案などを評価、容認する方向で、与野党は週内にも合意。政府は大型連休前後にも特例法案を国会に提出する。
民進党の野田佳彦幹事長は12日、東京都内で開かれた定期党大会で「各政党が協力しあって法制化できるよう真摯(しんし)に取り組む」と述べ、与野党合意を最優先する姿勢を示した。皇室典範改正を強く主張してきた細野豪志代表代行ら民進内の強硬派も、野田氏に一任する方向に軟化。党執行部は週内に全議員による懇談会を開き、党内をまとめたい考えだ。
民進が特例法容認に転じたのは、自民党の高村正彦副総裁らが、衆参の正副議長や各党・会派の代表が集まる全体会議の場で、特例法が「将来の退位を否定しているものではない」として先例となる考えを提示したことを評価。さらに皇室典範の付則に、特例法と典範が「一体」であることを示す規定を設けるなど、民進が主張してきた点を考慮に入れた妥協案が出てきたことを踏まえた判断だ。
当初は民進と共に皇室典範改正…