政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大学教授)は9日、長時間労働の監視機能を強めるため、労働基準監督官の業務の一部を民間委託するよう政府に提言する検討に入った。監督官の不足を補うため、定期監督業務の一部を社会保険労務士に委ねることを想定している。
政府は「働き方改革」で長時間労働是正を唱えており、推進会議は監視態勢の強化が必要と判断。大田氏は「民間活用を広げていくのは非常に重要だ」と述べた。9日付で設けたタスクフォースで議論し、6月にまとめる答申に具体策を盛り込む。
監督官は国家公務員の専門職で、「労働Gメン」とも呼ばれる。労働基準法などに基づいて会社を監督・指導し、違反者を逮捕、送検する権限も持つ。全国に約3200人いるが、国際労働機関(ILO)の基準に対する充足率は6割強。推進会議は監督官の負担を減らすため、違反の有無を調べる定期監督業務の一部を社会保険労務士に委託できるかどうかを探る。
また、推進会議は運送業界での…