宮城県名取市は防災行政無線の緊急放送を常に受信できる防災ラジオを市内の世帯や企業に1000円で提供する。緊急放送があると自動的に電源が入るとともに周波数を合わせ、最大の音量で放送する。同市によれば、個人で購入すれば1万3000円の製品という。合計で5000台の提供を予定している。
佐々木一十郎市長が16日、同市として初めて開いた定例記者会見で明らかにした。ラジオの調達やシステム構築などに8000万円強をかけた。名取市に住民登録している世帯と、市内の事業所に1台ずつ提供する。公民館や防災安全課で申し込みを受け、市内の電器店が設置する。
東日本大震災では防災行政無線が十分に機能しない場合も多かった。佐々木市長は「今後も緊急情報を複数の手段で市民に伝える取り組みを進める」と話している。