【NQNニューヨーク=岩切清司】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに小反落した。終値は前日比4ドル41セント(0.0%)安の1万7732ドル75セントだった。新規の売買材料に乏しく方向感が出なかった。
ダウ平均は前日までの3日間で491ドル上昇した。短期的な相場の過熱感も意識され上値を追う勢いが弱まった。利益を確定する売りが出たものの、積極的に下値を試す動きも限られた。ダウ平均の日中の高値と安値の幅は90ドルだった。
原油先物相場が再び節目の1バレル40ドルを割る場面があった。シェブロンなどエネルギー株の一角が下げたが、米株式相場全体への影響は限られた。
決済事業を手掛けるベンチャー企業のスクエアとインターネット上の出会い仲介業を展開するマッチ・グループが新規株式公開(IPO)した。株価は公開価格を上回る水準で推移すると、投資家がリスクを取る姿勢が強まり、株式市場に安心感を与えた。
ナスダック総合株価指数も4日ぶり小反落した。同1.564ポイント(0.0%)安の5073.639で終えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「ヘルスケア」や「金融」「エネルギー」が下落。「IT(情報技術)」や「公益事業」など7業種は上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約17億5000万株(同)。
業績の下方修正を公表した医療保険のユナイテッドヘルス・グループには売りが膨らんだ。下落率はダウ平均採用の30銘柄で最も大きかった。製薬のファイザーは同業アラガンとの買収合意が近いと伝わり、財務負担が懸念され下落した。四半期決算の減収が嫌気された家電量販店のベストバイも下げた。
一方で、食品大手のJMスマッカーは四半期決算の増収増益が好感されて上昇した。ダウ平均では半導体のインテルやコカ・コーラ、アップルも買われた。