子どもたちに次女の梓さんの写真を見せながら語りかける是松いづみさん=福岡市早良区の百道浜小学校
四つ葉のクローバーのようなもの。娘の障害をそう例えて講演を続ける女性がいる。染色体が1本多いダウン症。でも、そのおかげで気づいたことがある。命の尊さ、自身に潜んでいた差別の心、そして、人の優しさに。
教壇で赤ちゃんの写真を掲げ、児童約90人にほほえみかけた。「かわいいでしょう。もう22歳になってるの。梓(あずさ)といいます」
11月上旬、福岡市早良区の百道浜(ももちはま)小学校。今春までこの学校の教諭だった是松いづみさん(60)。梓さんは次女だ。
「ダウン症ってね、染色体が1本多いの。四つ葉のクローバーがあるでしょ、あんな感じ。どの国にもどの時代にも、800人に1人くらいいます」
梓さんが生まれた時のこと、家族や友だちとの温かなやりとり。クイズを交えながら楽しそうに、時にしんみり語った。90分間の授業のあと、ある女子は「私に障害のある子どもが生まれても、とてもうれしく受けとめることができると思います。今日の授業は一生忘れません」と書いた。
梓さんを産んだのは1994年…