三菱東京UFJ銀行は30日、利用者の電話番号が約1万4千件流出した可能性があると発表した。漏洩した番号が架空請求詐欺に使われたと10月23日に警察から連絡があり、調べたところ他人でも口座の取引情報を電話で照会できるシステム上の不備が見つかった。同行は謝罪し、不正アクセス禁止法違反などの容疑で刑事告発を検討している。
流出した可能性があるのは47の預金口座に振り込んだ人の電話番号で、口座はほぼすべて出会い系サイト運営者のものだった。不正アクセスは4月から10月まで約6千回あったとみられる。残高や振り込みをした名義人を自動音声で照会できるサービスがあり、本人確認で特定の番号を入力すれば誰でも情報を入手できる状態だったという。
出会い系サイトは利用料を振り込む際、名義人の入力欄に名前ではなく電話番号を書き込むよう求めており、番号の流出につながった。
音声照会サービスを始めた2004年2月から不備があったとみられ、同行は過去にさかのぼって流出の有無を調べる。今回の漏洩による被害には補償を含めた対応をするとして、フリーダイヤル((電)0120・651・707)を設けた。