京都府の向日市、長岡京市、大山崎町が10日に訓練のために出した携帯電話向けの緊急速報メールが、国の災害情報共有システム「Lアラート」の不具合で、住民らに届かなかった。システムを運用する一般財団法人「マルチメディア振興センター」(東京)によると、昨年12月にシステムを更新した際に設定を誤り、全国的に緊急速報メールが配信されない状況だったという。
3市町が午前9時半ごろ、緊急速報メール向けの訓練情報を府の防災情報システムに送ったが、配信されなかった。このため大山崎町は約10分後、独自に携帯会社経由で緊急速報メールを配信したという。センターは正午前に不具合を修正し、正常に配信されるようにしたという。
同センターによると、訓練の情報は府のシステムからLアラートに届いたが、そこから携帯会社のサーバーに送るプログラムに不具合があった。センターの担当者は「実際の災害で起きていたら、大変な事態。早急に詳しい原因を調べ、再発防止策を講じていく」と話した。
Lアラートは2011年、全国の自治体の災害情報を、テレビや新聞などのメディアに送るシステムとして発足。12年からは緊急速報メールの配信も始め、現在17道府県が同メールの配信を利用している。(西村宏治)