日銀が2日発表した11月のマネタリーベース(資金供給量、月末残高)は10月末から7527億円減少の343兆6698億円だった。月末残高が前月比で減少するのは2014年7月以来16カ月ぶり。当座預金残高が前月比で1兆3232億円減と、13年4月に量的・質的金融緩和を導入してから初めて1兆円超減少し全体を押し下げた。
当座預金残高の減少は15年2月以来9カ月ぶり。金融市場局は「個別行の資金繰りなどによるものとみられ資金供給量の増加基調に変化はない」と説明した。日銀は金融機関から大量の国債買い入れを継続しており、前年同月比でみた資金供給量は日銀の調節方針である「80兆円増」を上回るペースで増加している。
11月の平均残高は前年同月比32.5%増の343兆7218億円だった。内訳は日銀の当座預金が47.1%増の246兆5776億円。紙幣の発行高は6.2%増の92兆4879億円。貨幣(硬貨)の流通高は0.9%増の4兆6563億円だった。
マネタリーベースは市中に出回るお金(紙幣、硬貨)と金融機関が日銀に預ける当座預金の合計。日銀は「年間約80兆円に相当するペース」でマネタリーベースを増やす方針を昨年10月に決めている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕