関西医大(大阪府)や国立循環器病研究センター(同)などのチームは14日までに、生まれつき体に黒褐色のあざがある「先天性巨大色素性母斑」について、あざを切除して高圧処理した後に元の場所に移植する皮膚再生の臨床研究を来年2月にも始めると発表した。
皮膚は表面の薄い膜である表皮と、その下にある真皮で構成される。この病気は、真皮の中にメラニン色素を作る母斑細胞が集中し、大人になると直径20センチ以上のあざになる。チームによると2万人に1人程度が発症し、放置すると数%が皮膚がんの一種、悪性黒色腫を発症する。
あざを切除した後に皮膚を移植するなどの治療が一般的だが、体の負担が大きい上にあざが大きいと手術が困難という。
今回の計画では、あざのある皮膚を切除後に高圧処理して母斑細胞を死滅させた上で、元の場所に移植する。その後患者の皮膚を培養して作った表皮をかぶせて皮膚全体を再生させる。
真皮のコラーゲンや血管などの主要組織はそのまま残っていて再利用できるので、体の負担が小さいと期待される。〔共同〕