ノーベル賞の授賞式を終えた大村智・北里大特別栄誉教授(80)が13日午後、日本に帰国し羽田空港内で記者会見した。「大変な旅になると思って出掛けたが、途中で楽しむ気持ちになった。終わったころには本当にいい旅だったなと(実感し)帰ってきた」と笑顔で報告した。
ノーベル賞授賞式を終えて帰国し、賞状を手に笑顔で記者会見する大村智・北里大特別栄誉教授(13日午後、羽田空港内のホテル)=共同
スウェーデンでの一番の思い出を聞かれると、王宮晩さん会を挙げた。隣席のソフィア王女と絵画の話題で盛り上がったといい「非常に楽しく、料理もおいしかった」。授賞式でカール16世グスタフ国王からメダルと賞状を受け取ったとき「ぐっと(手を)握って顔を見てくれ、どきっとするぐらいうれしかった」と振り返った。
今後について「若い人が伸び伸び研究できる環境づくりにお役に立てれば」と述べた。ただ今は睡眠不足で「(一番やりたいことは)しばらく休みたい。そうしたらまた、やりたいことが湧き上がってくる」と話した。
会見場では北里大の理事長や学長、研究室の卒業生らが出迎え、花束を渡した。大村さんは5日未明に日本を出発。ストックホルムでの記者会見や授賞式典、王宮晩さん会に参加した。
一方、梶田隆章・東大宇宙線研究所長(56)は現地時間の13日中にストックホルムから帰国の途に就き、日本時間14日午後に羽田空港に到着する予定。〔共同〕