東芝は21日、同日発表した2016年3月期の業績見通しと構造改革の実施内容について、都内の本社で記者会見を開いた。出席した室町正志社長は、構造改革について「(実施に伴う経営悪化は)大変不本意であり従業員の削減など痛みを伴うが、今このタイミングで施策を断行することが必要と判断した」と説明した。構造改革で巨額の費用を計上するため、16年3月期の連結最終赤字(米国会計基準)は5500億円となる見通し。室町社長は「株主の皆様には重ねてご迷惑を掛けるが、ご理解いただきたい」とした上で、「構造改革を完遂することで、東芝グループが新しく生まれ変わり再び信頼を得られるよう、先頭に立って全力を尽くす」と話した。
記者会見する東芝の室町社長(21日午後、東京都港区)
東芝は同日、16年3月期の連結決算について、売上高が前期比7%減の6兆2000億円、営業損益が3400億円の赤字(前期は1704億円の黒字)、最終損益が5500億円の赤字(同378億円の赤字)になるとの見通しを発表。赤字額はリーマン・ショックがあった09年3月期の3988億円を大幅に上回り、過去最大となる。パソコンを含むライフスタイル事業などの構造改革により、計上する営業費用は合計で2300億円にのぼる見通し。年間配当も無配とする。〔日経QUICKニュース(NQN)〕