噴火で全島避難となった口永良部島(鹿児島県屋久島町)に発令されていた避難指示が25日、一部地域を除いて解除された。町によると、25日は全85世帯136人のうち10人程度が帰島などのため、町営フェリーで屋久島を出発した。自宅の修繕や家庭の事情ですぐに戻らない人がいるため、帰島時期は来年にかけて分散する。避難指示の解除は5月29日以来。
指示解除の対象は、住民が多く住む本村、湯向地区など。火口から2~2.5キロの警戒範囲に含まれる前田、向江浜の両地区(8世帯16人)、大雨で集落への道路が寸断されている寝待地区(2世帯4人)は避難指示を継続する。
町は既に宿泊を伴う一時帰島を認めており、24日までに引っ越しを済ませた住民もいる。警戒範囲に含まれる住民の一部は、安全な場所に空き家を確保したという。町は25日の時点で引っ越しを終え、島での生活を再開するのは22世帯33人とみている。
町は島民に限って、屋久島と毎日1往復しているフェリーを来年1月15日まで無料とし、帰島の準備を進めてもらう。
大規模噴火の恐れは低くなっているが、町は万一の事態に備えて対策を強化する。5月の噴火で中断していた避難所「番屋ケ峰」の改修工事を再開、全住民が最長で5日間滞在できるよう予備の発電機2台を新たに設置する。近くにはヘリポートも建設する。〔共同〕