札幌市消防局は29日、救急車の故障を理由に最寄りの救急隊を出動させず、別の隊を出動させて本来より到着が約25分遅れたと発表した。60代の男性患者は病院で死亡。消防局は「到着遅れと死亡との因果関係は分からない」と説明している。
消防局によると、29日午前1時5分、南区定山渓温泉のホテルから「客が転んで頭を打ったようだ」と119番があり、ホテルから約1キロ先にある最寄りの出張所に出動を指示した。ところが救急車のエンジンがかからなかったため、同1時9分、代わりに約14キロ離れた救急隊を出動させた。
その後、通報者に再度連絡をとった際、患者が意識を失っていることを把握。同1時16分、出張所から救急救命士を消防車で出動させ、この到着が最も早かった。救命士の到着時、患者は心肺停止状態で、別の客らが蘇生を試みていたという。〔共同〕