いろんな気持ち表すことができる万能の絵文字の中でも、「泣き笑い」はその筆頭。ところが、「泣き笑い」の人気に衰えが見え始めている。
「泣き笑い(Tears of Joy)」の絵文字は誕生からこれまでずっと世界中のネットユーザーの間で大人気となってきた。笑いながらも涙を流すこの絵文字にはいろんな意味や気持ちを込めることができ、2015年にはさまざまな流行語を抑えて、オックスフォード辞典の「2015年ワード・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。
誕生からすでに何年も経っているものの、ネット上で「泣き笑いの絵文字」と検索すると、その表情が一体何を表しているかをめぐって、「涙を流しながら笑っている」や「笑いながら泣いている」、「泣きながら、笑ってもいる」、「泣くに泣けず笑うに笑えない」と分析している人がいるほか、「泣きたいのに涙が出ない」とする人や、「本当の気持ちを隠すための表情」などとする人もおり、さらには、「たくましく生きる」という思いを込めているとする人もいる。
しかし、SNSが発展するにつれて、絵文字の使い方や意味も大きく変化しており、以前流行していた絵文字が、今では完全に「時代遅れ」になっていることもある。
中国以外の国でも使用率が非常に高い「泣き笑い」の絵文字をめぐって、海外のネットユーザーらが最近、議論を交わしている。
米CNNの報道によると、ここ数週間、インターネットに精通している2世代の若者がショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」上で、ジェネレーションY文化のシンボル的特徴をめぐって激論を交わしている。
「Y世代には悪いけど『泣き笑い』はもう時代遅れ」
2019年初め、米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが初めて、Z世代(ジェネレーションZ)を1997-2012年生まれ(9-24歳)、Y世代(ジェネレーションYまたはミレニアル世代)を1981-1996年生まれ(25-40歳)と定義した。
Z世代は、スキニージーンズ(Z世代の結論は『早く燃やしてしまえ』)や左分けか右分けのヘアスタイル(Z世代の結論は『センター分け一択』)、そしてY世代の間で人気の「泣き笑い」の絵文字などをすでに時代遅れと考えている。
「インターネット言語学者」のグレッチェン・ マカロック氏は、「『泣き笑い』は、人気になったことで、逆に若者の間では評判が悪くなってしまった。もし、何年もずっと同じ方法で『笑う』という意味を伝えていると、だんだんと誠意が薄れてくる」と分析する。これが、Z世代が新しい代替品を探し、別の方法で「笑う」という意味を伝えようとしている理由だ。
あるユーザーがTikTokのコメント欄に寄せた「『泣き笑い』の絵文字は何が問題なのか?」という質問に、別のユーザーは、「時代遅れでもうだめ」と返信している。
ワリッド・ムハンマドさん(21)は取材に対して、「『泣き笑い』以外なら、どんな絵文字でも使っている。とっくに『泣き笑い』は使わなくなった」とし、その理由について、「お母さんとかお兄ちゃんとか、年を取った人とかが使っているから」と説明した。
「泣き笑い」よ、安らかに眠れ
一方で、「どんな絵文字を使うにしても、自分が伝えたい意味を表現でき、理解してもらえるなら、『時代遅れ』ではない」との声もある。
結局のところ、言葉というのは、自分の気持ちを表すツールにすぎない。どの世代にも、その世代なりの「言葉の芸術」を持っていることが一番だろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月24日