死刑判決確定後に執行されていない死刑囚(昨年末時点)は127人で、3年連続減少したことが6日、法務省への取材で分かった。昨年は裁判員裁判の判決が確定した死刑囚が初めて執行されたほか、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝死刑囚(89)が収監先の八王子医療刑務所(東京)で死亡した。
法務省によると、年末時点の確定死刑囚は、107人だった2007年以降、継続して100人を超えている。12年末には133人となったが、その後は3年連続で減った。袴田巌さん(79)が再審開始決定で釈放されているため、昨年末時点で刑事施設に収容されているのは126人。
15年に執行されたのは3人だった。上川陽子前法相が昨年6月、名古屋市で07年に起きた闇サイト殺人事件の神田司死刑囚(44)の執行を命令。岩城光英法相は昨年12月、06年に岩手県洋野町で母娘を殺害した若林一行死刑囚(39)と、09年に川崎市で3人を殺害した津田寿美年死刑囚(63)の執行を命令した。
津田死刑囚は裁判員裁判で死刑判決を言い渡された。弁護側の控訴を死刑囚が自ら取り下げ、確定した。
一方、昨年に死刑が確定したのは秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚(33)と、兵庫県加古川市で7人を刺殺した藤城康孝死刑囚(59)の2人。裁判員裁判の死刑判決が確定したケースはなかった。〔共同〕