7月22日午前10時、浙江省舟山市金塘島の高さ380メートルの送電塔の下にある赤と白の「ドローンステーション」が自動で開き、黒いドローンがゆっくりと飛び立った。そして、毎日定期的に行われている寧波市鎮海区から舟山までの500 kV西■門(■は土へんに侯)大横断送電線の点検が始まった。人民日報が報じた。
国網舟山供電公司のドローンプロジェクトの責任者・韓磊氏は、「以前、点検は、スタッフが地上から望遠鏡を使って行っていたため、効率が悪いだけでなく、問題の見落としもあった。今年7月、中国聯通(チャイナ・ユニコム)と連携して構築した5Gスマートドローン自動点検システムの使用が始まり、高帯域幅、レイテンシの5Gネットワークがデータ、画像、動画をコントロールルームに瞬時に送信してくれるようになった。そして、ワンクリックで点検レポートを見ることができ、效率が4倍以上向上した」と説明する。
中国工業・信息(情報)化部(省)の最新統計によると、6月末の時点で、中国の5Gの基地局は累計で40万ヶ所に達した。また、7月末の時点で、5Gデバイスの接続数は8800万件に達した。
基地局40万ヶ所以上とは、どんな数字なのだろう?
「40万ヶ所超え」は、5Gネットワークの建設が予想を超えるスピード、規模で進んでいることを示している。
7月に開通した江蘇省の蘇州市と南通市を結ぶ滬蘇通長江大橋が5Gネットワーク建設で大きな役割を果たしている。中国鉄塔南通市分公司の葉路・総経理は、「滬蘇通大橋は鉄道道路併用橋。5Gの電波は、必ず二層でカバーしなければならない。当社は高所作業や限りある施工時間、2G/3G/4G/5Gの全ての周波数帯の互換性をカバーしなければならないなどの課題を克服しなければならなかった。一つのアンテナを、複数の運営企業でシェアすることで、資金を60%節約し、建設周期を60日短縮できた。それにより、列車の鉄道信号の信頼性が高まるほか、旅客も車内で高速インターネットを利用できる」と説明する。
共同建設、共有により、5Gネットワークの建設がより効率よく、スピーディーに進んでいる。中国の5G基地局は現在、1週間当たり1万5000ヶ所のペースで増加しており、今年上半期に新たに設置された5G基地局は25万7000ヶ所に達した、うち、97%以上の建設には、ストック資源が活用された。
「40万ヶ所超え」の背後で、5Gが急速に人々の生活や経済、社会に溶け込み、少しずつ変化を与えている。
杭州鳳凰山の麓にあるレストランの周偉民・経理は、「5Gの速度は速く、高精細度映像でのライブ配信もスムーズに行えて、本当に助かっている」とし、5Gがもたらした変化について、「新型コロナウイルス流行期間中、観光地にある飲食店は本当に大変だった。始めは、1日平均2000元(1元は約15.35円)の売上しかなかった。そのため、もっと多くのお客さんに来てもらえるよう、ライブ配信を思いついた。ライブ配信で当店自慢の料理を紹介し、さらに、デリバリーを打ち出した。そして、お客さんにスマホを通して、鳳凰山を『クラウド観光』してもらった。売り上げは日に日に増えて、一番多い日で7000元の売上があった」と語る。
周経理のように5Gの恩恵にあずかるユーザーは、1ヶ月当たり数百万人のペースで増加している。
自動運転、工業インターネット、スマート交通、スマート医療、スマート家具、スマート教育など、5Gと、工業、交通、医療、教育、エネルギーなどの伝統的な業界が一歩踏み込んで融合し、新たな化学変化を起こしている。統計によると、今年6月末の時点で、電気通信事業者大手3社・中国電信(チャイナ・テレコム)、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通の「セルラーIoT」のデバイスユーザーは前年同期比32.7%増の11億600人に達した。うち、スマート製造、スマート交通、スマート公共事業に応用されたデバイスのユーザーは、21.1%増、18.2%増、21.4%増となった。中国全土で、業界、地域に強い影響力を持つ工業インターネットプラットフォームは70以上あり、工業設備4000万台が接続している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月15日