2020年東京五輪・パラリンピックの組織委員会のエンブレム委員会は9日、7日から行っていたデザインの本審査で、新たな大会公式エンブレムの最終候補に4作品を選んだと発表した。
今後、4作品について国内外で商標調査を行い、類似のデザインがないかなどをチェックする。問題が無ければ商標登録の出願申請を経て、春ごろに一般公開して国民の意見を募った後、最終審査で1作品を決める。
宮田亮平委員長(東京芸大学長)は「審査の議論は大いに盛り上がったが、満場一致で決定した」と話した。
エンブレム委は昨年12月までの1次、2次のデザイン審査で、公募1万4599作品から64作品に絞り込んだ。
今月7、8日の本審査では委員21人が個々にデザインの出来栄えやグッズなどへの展開例を採点し、集計結果を踏まえた協議で19作品を選んだ。
9日は投票と協議を3回ずつ行い、4作品を最終候補とすることを決めた。また、商標調査の段階で最終候補に問題があった場合に備え、次点の4作品を予備候補として残した。
エンブレム問題では、昨年7月に発表された佐野研二郎氏デザインの作品がベルギーの劇場ロゴに似ていると指摘され、劇場側が使用差し止めを求めて提訴した。
佐野氏は盗用を否定したが、別のキャンペーン賞品で模倣が発覚するなど疑惑は拡大。イメージ低下を懸念した大会組織委は同9月に白紙撤回を決め、新たなエンブレムの選考に着手した。